バイク便のバイトといってもバイクに乗ったことなんてなかったので、電車で配達するハンドキャリーというやつである。通信機を持って朝8時に市谷の駅へ行く、事務所に連絡をすると集荷先が通信されてくるのだ。ひたすら歩くので疲れるし、いつ来るか分からない連絡を公園で寝て待っているのも落ち着かない。だが、いろんな場所に行けるのは楽しかった。ラウドネスの音源の入ったDATを市谷のソニー(たぶん)に届けたこともある。高田馬場で交通費が底を付き「もう一歩も動けません」と事務所に電話したら、烈火のごとく怒られた。今考えればそりゃそうだ。次の日に日雇いのバイトをして交通費を稼いでからバイトに復帰したのだった。そんなこんなで、さぞや稼いだだろうと思ったら7万円ぐらいしか入らなくてがっかり。制服代わりのジャンパーが暑かったことが印象的だ。
ライ・クーダー&ニック・ロウを見てきたが、文句なしに素晴らしかった。渋谷の駅も二人の来日のせいで厳戒態勢だ。ライの息子がドラムで、後半に女性コーラスが二人入っただけの完全なトリオ。たまにロウがアコギに持ち替えても三人だけで押し切る。それなのに何故あれほど鮮やかで立体的な音になるのか。ねばっこいライとシャープなロウ。気だるい格好のライとスタイリッシュなロウ。相性ばっちり。シンプルであることによって生まれる深みの凄まじさを見せ付けられる。まるで蜂蜜のようなライブでした。帰りにミズノさんオオムタさんなどと火鍋を食べて帰りました。
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